
プロジェクトが立ち上がるまでのこと、趣旨などを書いた「はじめに」をお読みいただいてから、おはいりくださると嬉しいです。
■2012年3月11日開催された>桃太郎pjキックオフ公演「いのちのこと みすゞのこと」の模様をみることができます。
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2012年7月6日~7月8日 福島県いわき市に桃太郎を届けにいってきました。公演後のいわき市の美しい海岸をみせていただき、ここで生きるということの現実を考える3日間でした
■7月7日 いわき市内郷雇用促進住宅LIVE

■7月8日 いわき市海岸リポート

2012年02月15日
「もうひとりの桃太郎」ができるまで

「もうひとつの桃太郎」を書こうと思ったのは、2011年の1月。
全国の「鬼」をつなげて鬼プロジェクトをとfacebook上で盛り上がり、
とりあえず、香川県のシンボルでもある「親切な青おにくん」あたりから、
さぬきの鬼を調べていたのだけど、どうも、心弾む情報はなく(残念)
鬼を調べるうちに、さぬきには、いろんなところに「桃太郎関連」の逸話が残っていて
桃太郎は総社の吉備津彦だけど、さぬきの桃太郎は弟「稚武彦」だ
二人の姉は、田村神社の「ももそひめさま」だ、
その夫は、こんぴらの「大物主命さま」
てな情報が、どんどん集まり。
こうなると、桃太郎のほうが、「るいまま、書いて 書いて」といっているようにふくらんでゆき
鬼プロジェクトは、まぁ、一旦横に置いておいて(笑)
さぬき発の「桃太郎」の筋立てがざっくりできたわけです。
3月29日、活弁の中越さんと「石あかり月あかりライブ、今年の活弁はなににする?」
と、話しているとき、
活弁用の無声映画は、だんだんに数が減っており
その上、貸し出しのための費用もそこそこかかり、なかなか大変なことがわかりまして、
「じゃ、私、ちょい考えてる作品があるんで、それで映画つくっちゃったらどうでしょう?」
と、提案。
中越さんにざっくりとした筋立てをはなすと、
中越さんも、「作るの?おもしろそうじゃない!」 (止める人がいないから、どんどんすすむ)
抄さんの絵の大ファンであるわたしは
影絵作家の抄さんに絵を描いてもらおうというのは、ずっと思っていて、
(去年も、「源平の民ものがたり」を、抄さん、とらいまる~んさん、れおんちゃんでやってもらったのです)
すぐに「抄」さんにも連絡。
常に前向きな、抄さんは、「おもしろいと思う。また、るいままが語ってくれるんでしょ?」
「今年は、活弁士さんに、活弁として語ってもらうつもりです」
「活弁!」
「ええ、だから、映画にしようと思ってます」
「すてきじゃない!!」 (ここでもだれも止めない~ 笑)
てなわけで、
4月5日、抄さんと中越さんの初顔合わせ!
この時点で、映像は、だれが撮ってだれが編集してなんて決まっておらず
なんの手立てもなく、ぽんちゃん、GONBEには、もしものときは君らがつくるんやでと
むちゃなことを言う、るいまま(w
とにもかくにも、原作をかかないと始まらないので、
ZENKON湯チームが東北にお風呂を建てにいってる間
ネット環境のない、誘惑のすくないZENKON湯事務局でで留守番しながら
4月25日 執筆開始。
書いてる場所が場所なんで、ZENKON湯メンバーが頭にうかぶ(笑)
悩める桃太郎
熱血な犬
知恵ものの猿
心優しき雉
5月11日 「もうひとりの桃太郎」原作完成。
ここでも、まだ映像編集のひとはきまっておりません。
けど、いつもいつもいつも、
なぜか、やりたやりたいと願っていると、すごい人が現れるんですわ。
これまた、真夜中のfacebookをぼんやりながめていたら・・・
映像編集をお仕事にしている「はた栄二」さんのログが・・・
はたさんは、前々から落語塾に興味をもってくれていて、それを繋いだりしてたもんで
まるで、そのついでのように「影絵映画つくりたいとおもっておりまして」と
ぽろっと言ってみまして
「お金もなんもないんですが、影絵映画つくりたいんです。原作だけは書きました!」
で、気がつけば、はたさんは、影絵の抄さん、活弁の中越さんと会うことになり
5月25日、すべてのメンバーがそろった
桃太郎外伝「もうひとりの桃太郎」制作プロジェクト!は、始動したのです。
で、撮影がはじまる段になって、「誰が人形操作するのさ・・・」
去年、お願いしたとらいまる~んさんは、働くママたちなので土日だけしか動けず
撮影は、みんなの空き時間を寄せ集めて撮るしかなく・・・
じゃ~ん
そこに現れたる、助っ人女神「くりす!」
そして、もう一人の助っ人GONBE
かくして、
抄さんが描いて作ってくれた人形を、中越さんの言葉にあわせて、るいまま&くりす&GONBEが操作し、
それをはたさんが撮影し、撮影ははじまったのでした!
6月30日 もうひとりの桃太郎撮影 オールアップ!
はたさんの「むちゃくちゃうまげな(脚注:すばらしい)」編集もおわり、
中越さんと、音楽の上野慶子ちゃんに、その映像は託された、
影絵活弁映画「桃太郎外伝 もうひとりの桃太郎」は
8月27日の本番に向けて、活弁映画としてつくられていきました!
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【2011年8月27日 石あかり月あかりライブ at 洲崎寺 4夜目 本番当日】
■6:30pm 受付開始


この日は、予約で席がいっぱいになり、外での中継で見ていただくお客さまが多くでました。
考えてみれば、去年も影絵の日は超満員で、途中酸欠にならないか心配したほどだったのでした!
■7:10pm るいまま登場

携帯電話のお願いのとき、マイクをつかわず室内のみなさんにだけお話ししてたら、
野外でみてくださっているみなさんが、「るいままの声がきこえん!」と
どうも、どうも、私の前説まで楽しみにしてくださっていたなんて、ありがとうございます!!
この作品の出来る経緯をざっくりお話して・・・・
■春日家みっち 落語「ももたろう」

まくらの、ばぁやに育てられた自分のおじょうさま時代(笑)のお話で、一度ももたろうをきかせておいて
「けんぼう、けんぼう!」とはじまる、ももたろうは、会場を爆笑のうずに。

みっちの落語で、はっきりと、今までの桃太郎が頭にインプットされたお客さまに、次なる桃太郎です!
■影絵映画「桃太郎外伝! もうひとりの桃太郎」 はじまり はじまり~

原作:るいまま 影絵:抄 美火子 映像編集:はた栄二
弁士:中越恵美 楽士:上野慶子

楽士:上野慶子がこの日のために書いた、壮大な音楽にのせ
弁士:中越恵美の名調子が響きます!
むかしむかしの桃太郎と言いますと・・・
お向かいは岡山県・総社にございます吉備津神社の王子・吉備津彦の命が、鬼の城に住んでおります「うら」と呼ばれる鬼を成敗したと言う話でございます。この「鬼」というのは、遠く大陸からきたとも言われております。
さて、本日、みなさまにお目にかけまする「桃太郎」は、さぬきの国に伝わる「もうひとりの桃太郎」でございます。どんな「桃太郎」の登場か、ごゆっくりお楽しみ下さい。
今をさかのぼる事、はるーか昔。
神代の時代にまで一気にさかのぼる事にいたしましょう。
ここは、吉備の国、総社の町。
鳥がさえずり、蝶が舞う、うららかな春でございます。
二人の若者がなにやら話しております。
一人は、鬼退治で一躍有名になった「吉備津彦」。
もう一人は、本日の主人公「稚武彦(わかたけひこ)」。吉備津彦の弟であります

犬島の勇者、陶の陶芸師猿王、鬼無町雉ヶ谷の若武者

こんぴらにいらっしゃる 大物主命
白い小さな蛇の化身となって、いつまでたっても「稚武」が来ないと
猛る妻「ももそひめ」をなだめます。

田村神社のももそひめさま
龍の化身とも言われ、高松南部の雨をつかさどるとも言われています。
ももそひめさまは、戦いの姫でもあって、
ふたりの桃太郎の姉。弟たちの武勇を願っています。

吉備津彦(桃太郎) と 稚武彦(さぬきの桃太郎)
体のおおきな吉備津彦に対し、平和な暮らしを願う稚武彦。
できれば戦などしたくはなかったのですが
なにの因果か、そういうことになってしまいまして・・・
【あらすじ】
決して特別な人ではなく、むしろ静かに平和に楽しく暮らせればいいやと思っていた
桃太郎「吉備津彦」の弟「稚武彦」。
讃岐にくらす武勇好きの姉に呼び出されたのに、旅の道すがら出会った娘と恋に落ち
つい自分は勇者桃太郎だと名乗ってしまいます。
姉のところに行くのが一日、二日と遅れ
辛抱を切らし龍となって現れた姉におしりをたたかれるように鬼退治にでかけたものの、
船で島に渡るのは危険だから待ち伏せしようと言い出し、
血の気の多い家来の犬はイライラ。
待ち伏せ作戦で、なんとなく鬼退治はすんだはずなのに
そんなところで終わりたくないと、「活弁士」が言い出し・・・・

たくさんの人たちに支えられ、「桃太郎外伝! もうひとりの桃太郎」 幕
会場を出る方から、「すごい すごい」の声をいただいて、ほんとにありがたい限り
この日の洲崎寺上空には、こんな雲が舞っていたそうです!

これは、まちがいなく龍の化身「ももそひめさま」!
私たちの「桃太郎」が、心配で心配で、
田村町のお宅から見に来てくださったに違いありません。